昨年が元年と言われたスマートフォン、今年が元年とされるタブレット型PC、これら新しいデバイスに「コンテンツを持ち出す」ことが今後ますます必要になってくると考えています。そこに FastBoard を一つの手段として提案したい…そんな思いを先のエントリに書かせて頂きました。

コンテンツを持ち出したいなら FastBoard が良いですよ

そう言って貰えたら嬉しいなーと思ってる訳ですが、その為に到達しなければ行けない事が現段階で色々と見えています。このエントリでは FastBoard の今後の計画と目指している将来を3つに分けて書いてみたいと思います。

 

1. FastBoard for Win

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FastBoard をご覧頂くと、便利ですねとお褒めの言葉を頂くのと一緒に「Windows環境からドラッグ&ドロップ出来ないの?」というコメントを頂戴します。企業様や学校様においては特にそう。やっぱり現場では windows が大多数を占めますから当然の事だと思います。

もちろん FastBoard for Win は開発を予定しておりまして、少しですが現にプロジェクトとしては稼働し始めています。対象OSはVista や Windows7。更にXPもサポート出来ると言う事なしですがこればかりはちょっと分かりません。

ただ、Windows ユーザの方にも広く FastBoard の便利さを体験して頂きたいという思いは強く持っています。

 

2. iPhone版 FastBoard

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これも開発予定です。構想の発端はiPhoneですし元々実現したかった事でもあります。それに、実際 iPad 版 FastBoard を使っていて iPhone にも手軽に転送出来たら良いのになーと感ずる事が多いからというのもありますね。

閲覧するのに iPhone で十分という類のコンテンツは特にそうですし、iPad を持ち運ぶまでもない場合もあったりしますから。そんな訳で iPhone版 FastBoard は別途開発するつもりでおります。

 

3. iOS間コンテンツ転送プラットフォーム

コンテンツを転送したいシーンは、何も従来のコンピュータ(MacやWin)からiPadやiPhoneだけ…という組み合わせだけではありません。

iPadを持ち寄った会議でお客様のiPadに資料PDFを送りたい、お勧めのURLを目の前にいる友達のiPadに送りたい…そんな場面は容易に想像することが出来ます。

実際、いつもお世話になっているメタ・グラマーさんと FastBoard のデザイン面で打合せをさせて頂きながら弊社でも思ったものです(もちろん資料はFastBoardでiPadに転送したものを持ち寄っての打合せ)。

この PDF 資料を別のiPadに転送出来たらもっと便利ですよね…と。

つまり、こういうことですね。

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Aさんは自分のMacから打合せ資料PDFを FastBoard で自分の iPad へ転送する。打合せ現場では、AさんBさんと一緒に FastBoard を立ち上げて、Aさんが送信側、Bさんが受信側となって iPad(A) → iPad(B) に転送される…と。資料の受け渡しはお互い持ち寄った iPad に FastBoard が入っていればそれで可能という訳です。「じゃ、今日の資料を今から送信しますねー」みたいな。

実際にそんな様子をプロトタイプで動作させているのが以下の動画。右が送信側、左が受信側です。両者は同一WiFiネットワーク下にいると思って下さい。(最初に右側で操作しているのは、送信側として動作させる為の設定操作です)

何もデータの入っていない左側 FastBoard に、右側の FastBoard から一枚の写真が転送される様子をご覧頂けるかと思います。これを実現するには、両者のiPadが同じWiFi環境にいること、ただこれだけが条件です。

打合せ現場などでWiFiが使えれば理想的ですが、そうでない場合でも PocketWiFi を使って WiFi ネットワークを作れば実現可能です。もちろん、上の動画のような写真に限った訳ではなく、FastBoard でサポートしている全てのコンテンツが転送可能になります。(PDFや動画、URLやAppStoreリンクも)

 

そしてこの機能が 2. の延長線上で iPhone にも搭載されていたり、1. のように win からも使えたらどうでしょう。

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…そうすると、色んな形でファイルを転送させる事が可能になります。デバイスを跨ぎ 、OSを跨ぎ、両者合意の元に転送&閲覧が出来るようになると凄く便利になる筈です。そこに必要なのはWiFi環境だけ。

打合せの現場で、資料を渡す為にわざわざ紙に印刷して持ち出す必要がなくなるかも知れません。デスクトップやノートで作った資料を iPad に転送し、ミーティングで参加者の iPad に転送する。iPad を持ってない人には iPhone へ転送する。参加者は持ち帰って、グループの関係者にまた iPad や iPhone 間で転送する…。

本当のペーパーレスは、紙に印刷しない事だけでは達成できず、資料(コンテンツ)の受け渡しというアナログな行為までもデジタル化する事で初めて実現するのだと思います。

 

FastBoard が目指す将来像は、そんな世界です。その広がりの為に (1)win対応、(2)iPhone版、(3)iOS間通信の3つを直近のタスクとして意識しています。更にその先で見据えているものもあるのですが、もう妄想の域に入ってしまいますので機会があれば書かせて頂く事にしようと思います。

 

FastBoard

FastBoard for Mac ダウンロードサイト

 

[関連エントリ]

iPadへのコンテンツ転送支援アプリ「FastBoard」をリリースしました

なぜ FastBoard を作ったのか